【パワプロ2022】新要素「入団前の急成長」の発生条件と効果について【ペナント】
0.目次
1.はじめに
今回はパワプロ2022から追加された新要素である「入団前の急成長」について考察します。
最初は軽い気持ちで検証を始めましたが、想像以上に奥が深い要素であることが分かりました。
おそらく全ての仕様を把握できてはいませんが、最低限必要な知識は解説できていると思いますので、最後までご覧いただければ幸いです。
2.発生条件
「入団前の急成長」が発生する条件は、下記のとおりです。
- 春季キャンプ前(海外留学ありの場合は留学選手選択後)に毎年発生する
- 前年Bクラスの球団からルーキーが各球団2名ずつ、計12名選出される
- 選出された12名からランダムで2回、能力の上昇が発生する(同じ選手が2回「急成長」する場合もある)
- 選出されるのは通常ドラフト4位と5位の2名だが、どちらかまたは両者が海外留学中の場合は選出順位の繰り下げが行われる
- 守備位置や経歴、成長タイプなど、球団の順位とドラフトの順位以外の要素については選出に影響しない(不確定、後述)
- ドラフト指名数が4人に満たない場合、その球団からは対象の選出が行われない
- 能力上昇の発生する選手およびその効果については、春季キャンプ直前のセーブによる厳選が可能である
文字だけでは分かりにくいと思いますので、いくつか例を挙げて説明します。
(1)通常パターン
候補1 |
候補2 |
|
---|---|---|
セ4位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
セ5位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
セ6位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ4位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ5位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ6位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
(2)セ・リーグ4位の球団のドラ4とパ・リーグ5位の球団のドラ5が海外留学中の場合
候補1 |
候補2 |
|
---|---|---|
セ4位 |
ドラフト5位 |
ドラフト6位 |
セ5位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
セ6位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ4位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ5位 |
ドラフト4位 |
ドラフト6位 |
パ6位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
(3)セ・リーグ5位の球団のドラ4とドラ5が海外留学中の場合
候補1 |
候補2 |
|
---|---|---|
セ4位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
セ5位 |
ドラフト6位 |
ドラフト7位 |
セ6位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ4位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ5位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
パ6位 |
ドラフト4位 |
ドラフト5位 |
この仕様をドラフト戦略に生かすとすれば、
- 3位と4位の指名順が近い場合、「急成長」狙いであえて4位に優秀な選手を指名する
- 海外留学選手の選択によって「急成長」の対象となる選手を操作する
といったプレイングが考えられます。
特に前者は他球団に横槍を入れられるリスクよりも「急成長」によるリターンの方が大きい場合がほとんどのため、見栄えやリアリティを気にしないのであれば有効な戦略であると言えます。
続いて、実際に「入団前の急成長」が発生したルーキーのべ200人の統計を紹介します。
(1)球団順位
総数 |
割合 |
|
---|---|---|
4位 |
42 |
21.0% |
5位 |
88 |
44.0% |
6位 |
70 |
35.0% |
(2)指名順位
総数 |
割合 |
|
---|---|---|
4位 |
172 |
86.0% |
5位 |
26 |
13.0% |
6位 |
2 |
1.0% |
(3)経歴
総数 |
割合 |
|
---|---|---|
高卒 |
57 |
28.5% |
大卒 |
100 |
50.0% |
社卒 |
43 |
21.5% |
(4)守備位置
総数 |
割合 |
|
---|---|---|
投手 |
105 |
52.5% |
野手 |
95 |
47.5% |
指名順位の内訳から、「急成長」が発生する確率は4位>5位以下となっている可能性が高いです。
他の3項目については、標本の偏りを考慮したとしても、球団順位・経歴・守備位置が「急成長」発生の有無に影響しないという根拠にはなりそうです。
3.効果
「入団前の急成長」の効果については、下記のとおりです。
- 能力がどれだけ上昇するかについては、経歴や成長限界、能力タイプなどに関わらずランダムに決定される(不確定、後述)
- 先発適正が最大ではない投手はスタミナの能力上昇が発生しない
- 変化量の上昇幅は球種あたり+1で固定だが、所持している全ての球種が+1されるとは限らない
- 野手の弾道の上昇幅は+1で固定だが、弾道が3以上の場合は弾道の能力上昇が発生しない
- 投手・野手ともにケガしにくさ・回復が+1される
続いて投手・野手別の能力の上昇幅の平均値を紹介します。
(1)投手
先発 |
リリーフ |
|
---|---|---|
球速 |
2.49 |
2.42 |
コントロール |
11.22 |
11.34 |
スタミナ |
10.12 |
0.00 |
変化量 |
1.85 |
1.61 |
スタミナ以外の能力について、適性の有無による差は見られませんでした。したがって、「急成長」による効果はリリーフよりも先発の方が大きいと言えます。
(2)野手
弾道2以下 |
弾道3以上 |
|
---|---|---|
弾道 |
1 |
0 |
ミート |
8.97 |
9.58 |
パワー |
3.62 |
5.79 |
走力 |
2.64 |
1.68 |
肩力 |
2.91 |
2.79 |
守備力 |
10.37 |
10.63 |
捕球 |
10.64 |
10.68 |
パワー・走力・肩力などの身体能力に関係する能力よりも、ミート・守備力・捕球などの技術に関係する能力の方が能力の上昇幅は大きいという結果が出ました。
弾道による比較では、弾道3以上の選手の方がミートとパワーの伸びがやや大きくなっています。ただ、この標本サイズではこれが有意な差であると断定できず、仮に有意であったとしても、この程度の差であれば弾道+1の方が遥かに有効であると考えられます。
したがって、「急成長」による効果は弾道3以上の選手よりも弾道2以下の選手の方が大きいと言えます。
4.不確定の仕様
ここまで「入団前の急成長」の仕様について簡単に解説してきましたが、以降では検証を繰り返しても明確な結果が出なかった仕様について整理していきます。
(1)初期能力と発生条件の関係
「急成長」の発生条件はおおむね前述のとおりですが、検証を進めているうちに、条件を全て満たすにも関わらず何故か選出されない選手が存在することに気がつきました。
どうやら選手の能力(星)が一定以上になると対象から外れるようですが、正直確信はないです。というかそれ以外に共通点が見当たらない…
(2)初期能力と上昇率の関係
Sの能力値でも+5みたいなことはよくあるので、成長限界によって能力の上昇が常に制限される訳ではないはずですが、上昇幅と成長限界にうっすら相関があるようにも見えるため、とりあえず「不確定の仕様」としました。
上の2つの真偽については、標本サイズを増やして回帰分析によって確かめるというのも一つの手ではありますが、そもそもスカウトの判定精度のブレが大きいこともあり、結果がプレイに与える影響は小さいと予想されるので、今回は深掘りせずにブラックボックスのままにしておこうと思います。
5.最後に
ここまでの内容をまとめると、「入団前の急成長」の仕様は以下のとおりとなります。
- 「入団前の急成長」は前年Bクラスの球団のドラフト4位以下の選手に発生する
- 「入団前の急成長」により能力がどれだけ上昇するかについては、能力ごとに上昇幅に一定の傾向はあるものの、おおむねランダムに決定される
- 投手は先発、野手は弾道2以下の選手がより「入団前の急成長」の恩恵を受けやすい
不確定の仕様もありますが、通常のプレイスタイルであれば上の3つさえ押さえておけば十分だと思います。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
良いオーペナライフを!